講演「戦争の記憶をめぐる国際共同アーカイブの提案」

東京大学大学院情報学環の「戦争とメディア」プロジェクトでは、このほどカルフォルニア大学サンタクルス校准教授のアラン・クリスティさんをお招きして、クリスティさんが進めてられている戦争の記憶をめぐる国際共同アーカイブ構築の構想について のお話をしていただきます。
クリスティさんは歴史人類学的な日本研究が専門ですが、近年、360度の全周囲映像 をデジタル撮影する装置を用い、広島をはじめアジア太平洋戦争のいくつかの戦跡で の多地点撮影を重ね、これらの空間的な映像と人びとが語る戦争の記憶を結びつけて いこうとする実験をされています。
360度の全周囲映像が興味深いのは、それが自ずと撮影している主体そのものの空間 的な位置を表象してしまう点にあります。360度映像を相互に結びつけていくときに、 都市の風景が、それをまなざしている者の位置もふくめた仕方でどのように表象可能 になっていくのか。またそのような映像の集積体を、人びとの記憶のナラティブをど のように結びつけていくことができるのかについて、具体的な作業の実例を紹介して いただきながら、レクチャーをしていただくつもりです。
つきましては、これまで情報学環のさまざまな催しに参加してきてくださった方々に 広くご案内申し上げますので、ぜひとも万障お繰り合わせの上、ご参加ください。


吉見俊哉
東京大学大学院情報学環「戦争とメディア」プロジェクト

日 時 2005年10月27日(木)18:30-20:30
場 所 東京大学大学院情報学環・学際情報学府 本館 6Fユビキタス実験室
講 演 アラン・クリスティ氏 (カルフォルニア大学サンタクルス校准教授)
講演タイトル 戦争の記憶をめぐる国際共同アーカイブの提案(仮)
お問い合わせ 東京大学大学院情報学環・学際情報学府 吉見俊哉研究室
備 考 申し込み不要・無料

談話会「大戦ポスターコレクション調査から見えてきたこと」

ご承知のように、長年続けてまいりました旧社会情報研究所(現大学院情報学環)における第一次大戦宣伝ポスターと内閣情報部宣伝資料に関するアーカイブ構築のプロジェクトでは、基礎データや翻訳をはじめとするデータの入力のみならず、森啓女子美大教授や凸版印刷印刷博物館スペシャリストのみなさまなどの絶大なご協力を得て、それぞれのポスターの印刷形式についての調査作業を進めてまいりました。
これまでの作業の概要については、すでに去る6月3日の研究会において報告させていただいた通りですが、当日、時間的な都合から、十分な議論を尽くせなかった面もございます。
そこで、私どもでは、6月の研究会で語りつくせなかったことを中心に、第一次大戦ポスターの調査を通じて見えてきたことについて、調査にたずさわったみなさまに存分に語っていただくための集いを、8月26日(金)の晩に開くことにいたしました。当日は、これまで調査を進めてきたポスターの画像をスクリーン上に映し出しながら、ご出席のみなさまにそれぞれ自由にご発言していただければと考えております。
20世紀のデザイン史、商業美術、ヴィジュアル・メディア、プロパガンダなど、多様な関心の方々にぜひお集まりいただきたく、ここにご案内申しげます。よろしくご参集ください。


吉見俊哉
東京大学大学院情報学環「戦争とメディア」プロジェクト

テーマ 大戦ポスターコレクション調査から見えてきたことを自由に語る
日 時 2005年8月26日(金)17:00-19:30
場 所 東京大学大学院情報学環・学際情報学府 本館 6Fユビキタス実験室
コーディネート 柏木博(武蔵野美術大学
報告メンバーからの発言(予定) 森啓(女子美術大学
山本隆太郎(印刷学会出版部
古田春男(元凸版印刷板橋工場 工場長)
小嶋茂子(凸版印刷株式会社 全社グラフィックアーツ担当)
宗村泉(凸版印刷株式会社印刷博物館
寺本美奈子(凸版印刷株式会社印刷博物館
お問い合わせ 東京大学大学院情報学環・学際情報学府 吉見俊哉研究室
備 考 事前申込み不要・参加費無料

ミシン・洋裁・家電―戦後日本の経済と消費―

私ども東京大学史料編纂所と同大学院情報学環では、この度、ハーバート大学のアンドルー・ゴードン教授をお招きし、2つの組織の共催で、下記のシンポジウムを開催いたします。
みなさまにおかれましては、ぜひ、ご参加いただきますとともに、関心ありそうな研究者、学生さん、編集者、ジャーナリスト、そのほか様々な方々に、この情報を転送していただけましたら、誠に幸いに存じます。


史料編纂所所長 保立道久/情報学環学環長 花田達朗


東京大学史料編纂所東京大学大学院情報学環共催シンポジウム

ミシン・洋裁・家電―戦後日本の経済と消費―

概要
日 時 2005年7月16日(土) 開場12:30
会 場 本郷浅野地区 武田先端知ホール
  (地下鉄千代田線の根津駅から坂を上って徒歩約5分、浅野正門のほぼ正面)
備 考 事前登録不要・参加費無料

このシンポジウムは、ハーバート大学教授・ライシャワー日本研究所前所長のアンドルー・ゴードン教授をお迎えし、ゴードン教授が近年取組んでいるミシンの受容と戦後日本のライフスタイルの変化、米企業の市場戦略などの話を中心に、洋裁、家電という具体的なモノとのかかわりから経済史と文化史、技術史、女性史を結んでいこうとする試みです。ゴードン教授は、日本でもよく知られた編著『歴史としての戦後日本』をはじめ、戦前の日本の労使関係史など経済社会史の分野で多くの著名な研究をまとめられてきましたが、近年では、ミシンから消費文化の形成を捉え直す作業を進められています。このシンポジウムでは、ゴードン教授にミシン論を縦横に語っていただきながら、近代日本の家具や生活道具の研究で著名な小泉和子氏に洋裁からみた生活文化史を論じていただきます。さらに、社会学や文化研究の視点から、吉見俊哉氏が家電と戦後日本のジェンダー構築について論じます。また、コメンテーターでは、天野正子氏、ひろたまさき氏、保立道久氏という歴史とジェンダーを結ぶこのテーマにとって最高の3人に、各報告者との対話をしていただきます。ゴードン教授のこれまでの研究に興味のある方から、女性史や技術史、消費文化に関心のある方々まで、ぜひご参加ください。

プログラム
司 会 横山伊徳(東京大学史料編纂所教授)
   
12:30 開場
13:00-13:10 開会の辞 保立道久(東京大学史料編纂所所長)
13:10-14:00 報告1
  アンドルー・ゴードン(ハーバート大学歴史学部教授)
  「日本近代の中のアメリカ――シンガー・ミシンの販売戦略と家庭生活イメージの変容」
   
14:00-14:30 報告2
  小泉和子京都女子大学教授、生活史研究所主宰)
  「洋裁とミシン」
   
14:30-15:00 報告3
  吉見俊哉東京大学大学院情報学環教授)
  「戦後日本の家庭電化とジェンダー・イメージの構築」
   
15:00-15:20 休憩
   
15:20-15:50 コメント
  天野正子(東京女学館大学教授)
  ひろたまさき(京都橘女子大学教授)
  保立道久(東京大学史料編纂所所長)
   
15:50-17:00 討論

第二次世界大戦における対日宣伝ビラの調査

私ども東京大学大学院情報学環では、旧社会情報研究所時代より、第一次大戦宣伝ポスターおよび内閣情報部宣伝資料のデジタル・アーカイブ化の作業を続けてまいりました。このほど、この作業についてまとまった成果を披露できる段階となり、徐々に報告研究会を行いつつあります。
同様のまとまった戦時資料のデジタル・アーカイブとしては、早稲田大学の山本武利教授のグループ「20世紀メディア研究所」による占領期雑誌記事アーカイブプランゲ文庫)があり、本プロジェクトのデジタル・アーカイブとの連携についての模索をはじめたところです。
このたび、この「20世紀メディア研究所」の主要メンバーの1人である土屋礼子氏がアメリカの公文書館で行った対日宣伝ビラの調査結果につきまして、ご報告を頂くことになりました。
日中戦争第二次世界大戦期の東アジアの情報戦の様相を明らかにするうえでも、極めて意義深い研究会になるものと思われます。この機会にぜひご参加下さいますようお願い申し上げます。


吉見俊哉
東京大学大学院情報学環「戦争とメディア」プロジェクト

日 時 2005年7月5日(火)18:00-21:30
場 所 東京大学大学院情報学環・学際情報学府 本館 6F会議室
19時30分以降の入館はできなくなります。ご連絡下さい。
テーマ 第二次世界大戦における対日宣伝ビラの調査
報告者 土屋礼子 氏(大阪市立大学
お問い合わせ 東京大学大学院情報学環・学際情報学府 吉見俊哉研究室
備 考 事前申込み不要・参加費無料