なぜ受信料を払うのか―徹底討論・NHK新生プランを問う―
下記のシンポジウムのご案内をさせていただきます。NHK問題について論点を出しきって議論していく大切な機会です。この機会に、出来る限り多くの方々に集まっていただきたいと存じます。ぜひ、ご参加いただきますと誠に幸いです。また、マスコミ各社のみなさまは、ぜひともこのシンポの紹介、取材、報道のほうをよろしくお願いいたします。
放送の公共性の〈いま〉を考える全国連絡協議会
世話人:野中章弘、吉見俊哉、岩崎貞明、吉田俊実
緊急シンポジウム「なぜ受信料を払うのか―徹底討論・NHK新生プランを問う―」
主 催 放送の公共性の〈いま〉を考える全国連絡協議会(放公協) 放送の公共性を構想する研究者会議 日 程 2005年11月6日(日)13:00-18:30 場 所 東京大学大学院経済学研究科棟 資料代 500円 問い合わせ先 Tel. 03-3467-8911 (アジアプレスネットワーク内 野中・岩崎) 放公協ホームページ http://www.hokokyo.org/ 【プログラム】
12:30 開場 13:00-13:10 趣旨説明 野中章弘(アジアプレス) 13:10-13:40 第1部 「NHK新生プラン」をめぐって 司会 野中章弘(アジアプレス)・岩崎貞明(メディア総研) ・「新生プラン」についての説明(15分) NHK(交渉中) ・コメント1(7分) 桂敬一(立正大学) ・コメント2(7分) 小滝一志(放送を語る会) 13:45-15:20 第2部 受信料制度はどうあるべきか 司会 野中章弘(アジアプレス)・岩崎貞明(メディア総研) ・「NHK受信料支払い停止運動の会」からの視点(7分) 醍醐聰(東京大学) ・「報道・表現の危機を考える弁護士の会」からの視点(7分) 澤藤統一郎(弁護士) ・メディア総合研究所からの視点(7分) 服部孝章(立教大学) ・公共放送と視聴者の約束(7分) 石川明(元関西学院大学) 会場との討論(60分) 15:40-17:20 第3部 政治介入と公共放送 司会 吉見俊哉(東京大学)・吉田俊実(東京工科大学) ・政治介入とジャーナリズム(15分) 原寿雄(元共同通信) ・ETV2001改変と政治介入(7分) 魚住昭(ジャーナリスト) ・「メディアの危機を訴える市民ネットワーク」からの視点(5分) 中野敏男(東京外国語大学) ・「日本ジャーナリスト会議」からの視点(5分) 石井長世(日本ジャーナリスト会議) ・会場との討論(60分) 17:30-18:30 第4部 私たちが求める公共放送 司会 吉見俊哉(東京大学)・吉田俊実(東京工科大学) ・新生プランを考える(7分) 吉岡忍(作家) ・NHKの「改革」には何が必要か(7分) 大石泰彦(東洋大学) ・もう一つの公共放送構想(7分) 津田正夫(市民とメディア研究会) ・市民に何が提案できるか(7分) 細井明美(支払い停止運動の会) 総括討論 【「放送の公共性の〈いま〉を考える全国連絡協議会」参加団体】
- メディア総合研究所
- NHK受信料支払い停止運動の会
- 自由ジャーナリストクラブ 事務局
- 放送の公共性を構想する研究者会議
- 放送を語る会
- 報道・表現の危機を考える弁護士の会
- 日本ジャーナリスト会議
- アジアプレス・ネットワーク
- メディアの危機を訴える市民ネットワーク
- 市民コンピュータコミュニケーション研究会(JCAFE)
【開催趣旨】
公共放送の危機。メディアの危機。そして言論の自由そのものの危機。わたしたちの社会のメディアと言論は、いま、重大な危機のなかで大きく揺れ動いています。いま、声を発しなかったら、いったいいつ発するというのでしょう。
ご承知のように、今年1月の朝日新聞報道と長井暁チーフプロデューサーの内部告発により、4年前、NHK教育テレビで放送されたETV2001「シリーズ 戦争をどう裁くか」の番組改変で、安倍晋三氏ら複数の自民党政治家が政治的圧力をかけていたことが明らかになりました。ところがその後、NHKは逆に報道が朝日新聞の「誤報」であるかのように論点をすり替え、海老沢会長辞任後も、政治家への事前説明を「通常業務の範囲内」とする見解は改められていません。
他方、プロデューサーによる番組制作費の着服など多数の問題が露わになったNHKに対し、受信料の支払い停止・拒否を宣言する動きが全国的に広がっていきました。
世論の批判にさらされ、4月にはNHKの理事全員が交代し、新体制が動き始め、新体制は9月、「NHK新生プラン」を発表しました。しかし、その内容で新しいのは、職員の1割削減と裁判所を通じた受信料の支払い催促の検討という組織防衛的なものだけで、何ら公共放送の具体的な将来ビジョンは示されませんでした。
さらに9月には、これまで安倍氏らの政治的圧力を明らかにしてきた朝日新聞が、自らの報道姿勢を自己否定するような決着のつけかたをすることで、問題をさらに深刻化させてしまいました。
現在の状況は困難です。しかし、私たちはなおこの国に「公共放送」が不要であるとは考えていません。この春のフジテレビとライブドアの一件でも、現在問題になっているTBSに対する敵対的買収の動きにしても、巨大な資本の無責任な流れのなかで、私たちの社会の公共性と言論の根本が激しく揺らいでいることを危機として受けとめています。私たちは、このような動きに対抗し、メディアの公共性を守り、再生させていくことこそ必須の課題であると考えています。
現在、全国各地で諸々のNHKの問題を放送の公共性の危機として受けとめる市民やジャーナリスト、メディア研究者たちの活動が広がっています。そこで私たちは、「放送の公共性の〈いま〉を考える全国連絡協議会」(放公協)という連絡協議組織を立ち上げ、諸グループ間の情報の共有化を図るべく努めてきました。
今回は、この全国連絡協議会とメディア研究者グループが中心になり、NHKにおける「受料」と「政治介入」という2つのテーマを核に議論を展開します。まず第1部では、NHKにる「新生プラン」に焦点を当て、第2部では「受信料」を、第3部では「政治介入」を集中的に論じていきます。そして第4部では、これらを総括しながら私たちが求める公共放送の姿を示していきたいと思います。
現状への幅広い危機感から、市民とジャーナリスト、研究者、諸団体が、世代や立場の差をこえて結集するシンポジウムです。危機感を共有する一人でも多くのみなさまの参加をお待ちしています。